サービス業、とは。【後編】

前回ではいわゆるイメージ戦略についてお話させて頂きました。

イメージは大事です。

何を商品としているのかをイメージの時点で伝えなければ、そもそも魍魎跋扈する競合が強豪のサービス業界では見向きもされません。

食料品なら食料を、家電品なら家電をPRしなければ始まらない、というわけです。

何を当たり前なことを、と思われるかもしれませんが、意外と見落とされがちなポイントでもあります。

ジャンル分け、カテゴライズは最重要事項です。

例えば我らが業界。
私達の店舗が担当するのが、飲食で言う
安く美味い定食屋なのか、
再高級食材を使う高級フレンチなのか、
はたまた和洋折衷で手頃なファミレスなのか、
前衛的なあしらえの創作料理屋なのか、

それらのジャンルが店名、あるいはロゴ、あるいは15文字以内で表現出来なければ一見様は二の足を踏む、と考えていいでしょう。

これはサービス業で特定ジャンル内での後発店舗に多いのですが、
他店との差を作ろうとするがあまり、気を衒いすぎて「お前は何がしたいんだ」という印象で終わることです。
定食屋で唐突に創作フレンチを出し始めてもお客様の頭にはハテナが浮かぶわけです。

先に言っておきます。
たとえ先鋭的な発想でも、前の記事で触れた『オンリーワン思想』から全てを初める商売は99%失敗するか挫折します。

金銭的にも忍耐的にも体力のある者、または道楽片手間でのみその発想力は真価を発揮するのです。

どの業界でも金の無い者がいちから頭だけで成り上がるには、
サハラ砂漠のどこかで友人が落としたという金の針を探してくるくらいの難易度があると思った方がいいのではないでしょうか。

奇を衒うのは二の次三の次でも良いのです。
まずは先人の踏み均したルートをなぞらえる、そこで似たような店舗だなぁ、二番煎じだぁ、と煽られても耐え抜き、金と発言権を得てからものを言えばよろしい。

もしくは既に金と発言権を持つ人間や組織に頭を下げるのも時間短縮にはよろしいでしょう。
昨今のSNSではよく用いられている、コミュニティありきの売り出し方もありだと思います。

どちらにせよ情報化社会著しい昨今の風潮では、『発言権』がわりとまじで最最最最重要事項の傾向があります。

どう発言権を獲得するかはまた次回に回しましょう。

路線修正。

ジャンルという枠に自らを絞り落とし、その枠組みの中で先駆者のシェアを奪い、蹴落とし、時に蹴飛ばされつつも地位を獲得していかなければならないわけです。

かく言う私共も、高級店を名乗っている以上はその枠に嵌らざるを得ません。

さて。
皆様に問いましょう。

高級店、とは?

質問を変えましょう。
熟女とは、何歳からを指しますか?

さらに話を逸らしましょう。
貴方の思うキレイ系、カワイイ系それぞれを説明できますか?

そうです。
実はこの業界、サービス内容をイメージでしか語っていないのです。

お客様と経営者の『キレイ系』『カワイイ系』についての認識に差異があれば、立ち行かない業界なのです。

「人妻店なんだから、熟女が出てこないのはおかしい」
「カワイイ系の女の子呼んだのに明らか30くらいの子来たんだが???」
「高級店なんだから、本番出来て当たり前だよなぁ?(威圧)」

これらって、イメージと実際のズレによって起こるのはおわかりいただけると思います。
全部前後が必ずしも一致するものでないことはおわかりかと思いますが、これらのイメージの不一致が大きく異なってくるとクレームにつながるかと思います。

熟女だけが人妻じゃねーーーから!!ロリBBAだっているだろ!!金払えば本番出来ると思うなよ!!!!!!

ご最もです。
でも、それがイメージというものです。

敢えて言うなら、それが先に述べた、サービス業への予想を裏切る行為に他なりません。
良い意味で裏切れたらば良かったのですが、今回はそうもいかなかったようです。

その理不尽なイメージをすらサービス提供者は操作しなければならないのです。
お電話口やウェブサイト、広告等で曖昧な漠然としたイメージを、こちらから誘導して固めてやるのです。

高級店、とは。
キレイ系、とは。カワイイ系、とは。
人妻店、とは。

お客様から見えるあらゆる場所にエッセンスを散りばめ、『世界観』を固めてやる必要があるのです。

それは私は『セルフブランディング』と呼んでいます。

自分たちが一体何を提供しているのか。
興味を持たせ、入り込んだ者達に漠然としたイメージを、私共への予想を一定のところまで集約させる。

そこではじめてターゲットを明確にしたマーケティングが可能となるのです。

私達がまずしなければならないことは、顧客に対して人妻とは何か、の定義付けから始めなければならないのです。

ただ、言葉で語るより、店の雰囲気で語る方が粋ってもんじゃないですか?

そんなところから店作りが出来るのならば、きっとそのお店は成功することでしょう。

ちなみに現在私共は当倶楽部のブランディングを進めている途中です。

自分たちで価値を高めていくこと、さらには付加価値をも並行して、
ブランディングとは真に理にかなった存在として世に必要とされることだと信じています。