生き残るべき貴方たち

前回、世界に一つだけの貴方と熱唱した訳ですが、オンリーワン発想の作り方云々、の前に一旦日本における"個人主義"の誤解されがちな解釈について触れておきます。

そう遠くない昔、欧米諸国から輸入されてきた個人的人権の尊重を筆頭とした、様々な思想の波が日本の人々にぶち当たり飲み込みました。

超ざっくりに言えば「お国のために生きて働き尽くします」気味だった日本が、「私達の幸せの為に力を合わせて頑張ろう」という思想に変わってきたわけです。

元々民度高いしチームプレイが得意な日本人。
集い結託することが大好きな日本人は各々の会社で資本主義を構築し、高度経済成長期が訪れます。

三人集えば文殊の知恵、三本束ねた矢は折れぬ、七つ集まれば神龍も呼べるということで、日本人はあーだこーだ議論の末に生み出すものにかけては素晴らしいクオリティを出せる、そんな民族だった訳です。

そんなもんですぐさま先進国の仲間入りをするや経済大国に軒を連ねることになる日本さん。

そこから日銀やら土地屋さんやらがやらかし始まったバブル崩壊、何とかこうにかして、ようやく失われた20年を経て立ち直りましたが。

その時ちょうど様々な要因が重なったタイミングでもありました。

ネット社会、個が発信源となりうる時代。
それを引き金として、欧米諸国の個人主義が急速に広まったイメージがあります。

会社という組織における私、というテーマで、みんな部屋の壁を見つめながら酒を煽り始めたわけです。

賃金福利厚生諸々から生ずる会社への不信感、パワハラモラハラは不健全という風潮。
スポコン体育会系は流行りではない、というのはわかります。

ただ、やはりチームがひとまとまりになる為には、ある程度の刺激し合う関係でないと難しい一面がありますよね。
ただ、集団活動としての適度なストレス(適度でない、かもしれません)を、若者は不健全と、一緒くたに中指を突きつけた。

加えてネットで拡散される個人事業の栄光、クラウドファンディングやヘッドハンティング、先行投資、一撃万枚、聞きかじった半端な情報。
それらが個人での活動に夢を持たせるわけです。

対比される集産主義のなんと無惨たることか。ブラック社畜生、許されるのは睡眠のみ、残業3桁マンの凱旋=満員電車、日本オワタわと言いつつも出社する足は止められない止まらない。

そんなイメージを誰も彼もがネットに拡散し始めたらそりゃ鬱憤も溜まります。
そして訴えるわけです。集団行動もう無理です、と。

働き方改革、はその都度その風潮によって行わなければなりません。

ただ、誰しも向き不向きがある。
それと同じように民族にも向き不向きが必ずある。

一応過去の偉人たちを擁護すると、昔はそれでよかったわけですよ。
だってパワハラモラハラありつつの生き残った面子で、何をやっても景気のおかげである程度のお金が生み出せたわけです。

事実、その面子で織り成す日本の技術屋集団、プロフェッショナルチームが全世界を圧倒していたのです。
そりゃ昔が神話化するのも無理はありません。

自分が体感した成功というのは絶対の価値を持ちますよね。
それが時代の流れで覆ってしまう、なんて信じたくはないですよ普通。

今はこうだからダメなんだ、昔とここが違うからダメなんだ、と。
それは当時のメンツ、当時の風潮ありきであることを考えなければなりません。

生産性を、効率を考えるのであれば、今この時肩を並べているチームメンバーのことを考えなければならないと思います。

断っておきますと、個人主義は利己主義ではありません。

自分さえ良ければ他の人への配慮などどうでもいい、というものではありません。
加えて、スタンドアローン的思想が個人主義とも言えません。

個人主義というものは個人個人を尊重した上で、組織というものを個人の集合体として認識するものであり、社会、組織、集団の中でも個々の尊厳が保たれる状態を指します。

言ってしまえば、ひとりでなんでも出来る人ならば、利益を独り占めできるし存分にやればよろしい。

ただそんな超人でないのならば先に触れたような組織に属するのが一番幸せなのではないでしょうか。

日本人はワンマンプレーに関してはあまり向いていない傾向にあります。あくまで傾向です。
先に語ったバブル期の日本の先端を突っ走っていた者達は、各々の持つ技術、思考や発想を尊重し合うチームでした。

三人集えば文殊の知恵、三本束ねた矢は折れぬ、七つ集まれば神龍が呼べる。

やりたいことがあるのならば、存分にやればいい。
今の環境が適していないのであれば抜け出せばいい。

ただ、一人で生きていくメリットよりも、デメリットに目を向けなければあまりにも勿体なさすぎる。

もうヤダ、ムリと、ひとりであることを求めて今の環境を脱するよりも。

まずは隣でカップ麺を啜っている同僚をランチに連れ出すことが、今後の貴方を変える一歩やも知れません。

……ムリ?
それでは次回は、どうしても集団行動が向いていなかった貴方に適切な話題かも知れません。

組織に属することを決めた貴方にも、
組織を脱することを決めた貴方にも。

次回はオンリーワン思想について、私なりの考えをお話致します。

※このブログには課金要素は一切ございません。
情報商材等の販売、口座振込についてのご案内等は一切ございませんので予めご承知おきください。